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公認心理師の業務内容とその役割

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公認心理師の業務内容とその役割|MENTOR

MENTOR 第3章「多職種の共通理解と相互理解」

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<要約>

  • 公認心理師は子どもの心理的ケアを担当し、心理アセスメントおよび心理療法を通じて感情や行動の問題解決を支援し、心理的危機の予防と介入において重要な役割を果たす。

  • 家族カウンセリングを実施し、家庭内での支援体制構築を支援する。

  • 子どもの治療過程において、問題解決への気づきと対処を支援する専門職である。

各職種の業務内容とその役割(公認心理師)

<解説>

 公認心理師は、子どもの心理的な側面に対するケアを提供する役割を担っている。心理アセスメントや心理療法を通じて、子どもの感情や行動に働きかけ、心理的な問題を解決するためのサポートを行う。特に公認心理師が提供する治療は心理的な危機を回避するために重要である。また、公認心理師は家族とのカウンセリングも行い、家庭内での支援体制を整えるための助言を行う。家族が子どもたちの治療に積極的に関わり、支援できるようにすることが、治療の成功に必ず求められる。公認心理師は、子どもたちが自分の問題に向き合い、解決の糸口を見つけるための手助けを行う重要な存在である。

 児童・思春期精神医療における公認心理師は、外来診療と入院診療の両面で包括的な支援を提供している。外来診療では主にアセスメントと治療的介入の二つの重要な機能を担っている。アセスメントにおいては、WISC-Vなどの知能検査、新版K式発達検査、日本版KABC-Ⅱなどの発達検査、さらに読み書きに関する検査、描画テストやSCT、P-Fスタディなどのパーソナリティ検査、行動観察による心理的評価を実施する。また、家族面接を通じて家族関係のアセスメントや生活環境の評価も行い、子どもを取り巻く環境要因の包括的な把握に努めている。

 治療的介入としては、認知行動療法、遊戯療法、箱庭療法などの個別心理療法を提供している。特に発達段階や症状の特性に応じて適切な療法を選択し、継続的な支援を行う。また、保護者に対してはペアレント・トレーニングを実施し、子どもへの適切な関わり方についての具体的な指導や心理教育を行う。さらに、検査結果のフィードバックを通じて、医療者、家族、教育機関との間で支援方針を共有する重要な役割も担っている。 

 公認心理師は、医師や看護師とは異なる中間的な立場から支援を行うことができ、子どもにとって親しみやすい存在となっている。治療場面では、言語的コミュニケーションだけでなく、遊びや創作活動などの非言語的コミュニケーションを通じて信頼関係を構築する。また、各発達段階に応じた柔軟な関わりを提供することで、子どもの心理的成長と発達を支える重要な役割を果たしている。

【クリニック/外来における業務】

 クリニックにおける公認心理師の役割は、大きく二つである。一つは心理検査を含むアセスメントに関すること、二つめは個別・集団での心理療法に関することである。心理検査においては、公認心理師が、医師の指示で必要な検査の種類を決め、バッテリーを組む。また、アセスメントを行い、報告書を作成する。また、院内の他の職種に、心理的アセスメントの結果や心理検査の見方について説明し共有する。治療に関しても、子どもに対する個別の心理療法や集団心理療法だけでなく、養育者への個別支援やペアレント・トレーニングや家族会などの集団での対応も行う。クリニックにおいては、スタッフの配置が、病院と比較し少ないので、インテーク面接の対応や学校の先生に対する説明など様々な役割を求められる。また、医療機関によっては、精神科デイケア/ショートケアのスタッフ、時には学校や家庭への訪問支援を担うこともある。

  • 心理アセスメント:診断・支援計画策定に資する心理検査(知能・発達・パーソナリティまたは人格など)を実施し、医師・他職種と情報共有する。

  • 心理面接・カウンセリング:子どもの悩みや混乱に寄り添い、自己理解を促す関わりを継続的に行う。

  • 保護者支援:家庭での関わり方や子育てに関する不安に対して、心理的視点から支援を行う。

  • 地域連携:学校、福祉機関、保健センター等との連携を通じて、支援体制の整備を担う。

  • 多職種連携:診察場面への同席やカンファレンス参加を通じて、治療の一貫性を保つ支援を行う。

  • トリアージ機能:来院時の困りごとや緊急性に応じた見立てと支援方針の整理を担当する。

【病棟における業務】

入院診療においては、直接的支援とチーム医療における調整機能の両面で重要な役割を果たしている。直接的支援としては、定期的な個別心理面接を通じて継続的な心理支援を提供し、子どもの心理状態の把握と介入を行う。また、集団活動療法の企画・実施や、季節の行事、レクリエーション活動への参加を通じて、治療的な関わりを提供している。これらの活動を通じて、子どもの社会性やコミュニケーション能力の向上を支援している。チーム医療においては、多職種カンファレンスに参加し、心理学的な視点からアセスメントや支援方針について提言を行う。医療者と子どもの橋渡し役として、子どもの心理状態や治療への反応を医療チームに伝え、より効果的な治療展開を支援する。さらに、院内学級の教員との定期的な情報交換を通じて、教育支援にも積極的に関与している。

なお、虐待事案の発覚や自傷・他害・逸脱行動等のリスク事象が発生した場合には、臨時に多職種が迅速に集まり、対応方針を協議・決定する。これを迅速な多職種カンファレンス(リスクランド)として位置づけ、病棟全体で共有する。

  • 心理アセスメント:知能検査、発達検査、人格検査、行動観察等を用いて子どもの特性を把握する。

  • 心理面接:子どもの状態や発達段階に応じて個別面接を実施し、情緒の安定や問題の理解を深める。

  • 心理療法:遊戯療法、認知行動療法、支持的カウンセリング等を用い、内面への働きかけを行う。

  • 保護者支援:保護者面談を通じて、子どもの状態や関わり方について情報提供や助言を行う。

  • 多職種連携:看護師、医師、作業療法士、教員などとともにケース・カンファレンスに参加し、支援方針の共有と調整を行う。

多職種連携における公認心理師の位置づけ

 公認心理師は、多職種連携において重要な役割を担っている。診断・治療方針の決定や薬物療法を担う医師、日常生活支援や医療的ケアを行う看護師、社会資源の活用や地域連携を担う精神保健福祉士と密接に協働する。特に心理的評価と支援、発達支援の専門家として、包括的な医療の提供に貢献している。さらに、学校や地域の支援機関との連携においても重要な役割を果たし、子どもの社会適応を促進するための橋渡し役となっている。このような多職種連携により、子どもの認知、情緒、社会性など、全人的な成長と発達を支援する体制が構築されている。