GAMES & INTERNETゲーム・ネットと、子どもたち
いまの子どもたちにとって、ネットは電気や水道のように「あって当たり前」の世界です。ゲームは悪いことばかりではありません。けれど、一部のお子さんでは、やめたくてもやめられない状態に陥ることがあります。
いまの子どもたちは、ネットで何をしているの?
動画を見る、友だちとやり取りする、ゲームをする、勉強する。いまのゲームの多くは、ネットでつながって、友だちといっしょに遊ぶものです。まるで昔、「3時に公園集合ね」と約束して遊んだように、ネットの世界で待ち合わせて、ボイスチャットで話しながら遊んでいます。
デジタル機器を使い始める年齢は、年々低くなっています。コロナ禍で、外遊びや友だちの家に行く機会が減り、オンライン授業も広がって、子どもたちは、これまで以上にネットやゲームに触れるようになりました。
大人が、子どもたちが何を使い、どんな言葉や人に触れているのかを知っておくことは大切です。「経験がない」「わからない」という理由だけで、頭ごなしに否定しないようにしたいものです。
GOOD SIDEゲームの良い面
- 気持ちの切り替え:好きなゲームをすると、気分が良くなり、リラックスでき、不安が和らぐことがあります。
- 人とのつながり:多くのゲーマーは孤立しているわけではなく、友だちと協力したり競争したりして遊んでいます。信頼や協力といった社会的な力が育つ場にもなります。
- 協力して遊ぶ効果:協力して遊ぶと、そのあとの協調的な行動が増えることを示した研究もあります。
RISKS気をつけたいこと
睡眠のリズム
夜遅くまでの利用は、睡眠不足や昼夜逆転につながります。
ネットいじめ・有害な情報
悪口やからかい、不適切な内容、不安をあおる情報にさらされることがあります。
気持ちや体への影響
SNSの使いすぎは、体型の悩みや摂食障害、気分の落ち込みと関連することがあります。
ゲーム障害とは
世界保健機関(WHO)は、ゲーム障害を正式な病気のひとつとして認めています。次のような状態が続き、生活に大きな支障が出ているときに考えます。
- ゲームを、いつ・どれだけするかのコントロールが効かない。
- ほかの活動(学校、友だち、家族)より、ゲームが優先される。
- 困ったことが起きても、ゲームを続ける、あるいは増やしてしまう。
ゲームが好きで、よく遊ぶことと、ゲーム障害とは違います。楽しみから、時間の使い方がうまくいかなくなり、やめにくくなり、さらに学校や人との関わりから離れて、悪循環に陥っていく、という連続した流れの中にあります。安易に診断せず、慎重に判断します。
BACKGROUNDのめり込みの背景
ゲームへののめり込みには、お子さん自身の要因と、環境の要因が、重なっています。
- お子さんの要因:ADHDや自閉スペクトラム症などの特性、うつ病や不安、自信のなさ、気持ちや衝動の調整のしにくさ。
- 環境の要因:学校や友人関係でうまくいかない経験、家庭でのルールの有無、親子の関わりの少なさ、ゲームの報酬の強さ。
すでに不安や落ち込みを抱えているお子さんほど、ゲームに居場所を求めやすい、という見方もあります。ゲームが原因なのか、心の不調がゲームに向かわせるのか、その両方なのかは、まだ十分にわかっていません。「ゲーム脳」といった言葉に振り回されず、お子さんの気持ちや生活に注目して考えましょう。
WHAT TO DOご家庭でできること
- 頭ごなしに取り上げない:力ずくでやめさせると、関係が悪くなり、かえって隠れて続けることがあります。
- ゲームの中身を知る:どんなゲームか、誰と、どんなふうに遊んでいるのかを、興味をもって聞いてみましょう。
- ルールはいっしょに決める:時間や場所、寝る前の使い方などを、お子さんと話し合って決めます。寝る前の画面は、睡眠に影響します。
- ほかの楽しみ・居場所をつくる:運動、趣味、友だちや家族との時間など、ゲーム以外の経験を増やします。
- 背景の不安や孤立に目を向ける:学校に行けない、友だちとうまくいかない、気分が落ち込んでいるなどのサインがないか、見てあげてください。
日常生活に大きな支障が出ているときや、「やめられない」と本人が困っているときは、ひとりで抱え込まず、ご相談ください。
このページは、宇佐美政英「児童精神科医が伝えたい子どものメンタルヘルス」(月刊薬事、2021〜2022年)の内容をもとに、保護者・一般の方向けにまとめ直したものです。診断や治療は、お子さん一人ひとりの状態に合わせて、医師が個別に判断します。