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子どものうつ病

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子どものうつ病

子どものうつ病の特徴、診断で大切にしていること、治療の進め方と薬の考え方、「死にたい」という気持ちがあるときの関わり方を、保護者の方に向けてまとめました。

DEPRESSION子どものうつ病ってどんなもの?

うつ病は大人の病気、と思われがちですが、子どもにもみられます。ただし、子どものうつ病は「元気がない」とは限らず、「イライラ」として表れることがよくあります。

子どもにも起こる中学生では、大人と同じくらいの割合との調査があります
イライラで表れる落ち込みより、いらだちが目立つことがあります
薬より先に支援まず理解・環境づくり・心理的な支援から

子どもに見られやすい様子

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いらだち・口の悪さ

「うざい」「うるさい」といった言葉が増え、すぐに口論になることがあります。

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登校をいやがる

朝になると具合が悪くなる、学校に行けなくなる、といった形で表れることもあります。

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眠りやからだの変化

眠れない、疲れやすい、食欲が落ちる、体重が思うように増えないなどがあります。

思春期は、「もう死にたい」「だめだ」とつぶやく一方で、友だちと話したり、好きなことに没頭したりしているときは楽しそうにしている、という極端さをもつ時期でもあります。つぶやきや気分の波だけで、すぐにうつ病とは決められません。気分の落ち込みが、一日中・ほとんど毎日、長く続いているかを丁寧にみます。

VIDEO動画で見る

子どものうつ病について、動画でも解説しています。

DIAGNOSIS診断で大切にしていること

  • その子の育ちを知る:「落ち込んでいる」という状態を、そのまま病名にはしません。どんなふうに育ち、いまどんな気持ちでいるのかを、時間をかけて聞いていきます。
  • 発達の特性を確かめる:自閉スペクトラム症やADHD、学習の困難などが背景にあって、暮らしにくさからうつ状態になっていることがあります。
  • 家庭や学校での様子も大切です:生活全体の情報を集め、焦らず丁寧に診断します。
  • 体の病気も確かめます:貧血などで疲れやすく、やりたいことができずにいらだっていることもあります。
  • ほかの病気との区別:子どものうつ症状の背景に、双極性障害など別の病気が隠れていることもあります。経過を見ながら、慎重に見極めます。

診察室では、無理に連れてこられたお子さんが、質問攻めにあうと、かえって心を閉ざしてしまいます。安心して話せる場づくりから始めます。

TREATMENT治療の進め方

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まず理解と心理教育

お子さんのつらさを理解し、本人・ご家族、必要に応じて学校にも、うつ病についてわかりやすくお伝えします。お子さんの趣味や得意なことにも目を向けます。

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心理療法

認知行動療法や対人関係療法などの心理療法が、効果的だと報告されています。

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環境を整える

家庭や学校での過ごし方を見直し、負担を減らします。お子さんの「自分でやっていきたい」という気持ちも尊重します。

お薬について

お薬は、こうした支援を十分に行ったうえで、必要なときに慎重に検討します。子どもの場合、抗うつ薬には次のような特徴があり、大人よりも注意が必要です。

  • 効果が確かな薬は多くありません:大人に使われている薬の多くは、子どもでは効果が確認されていません。
  • 使い始めの注意:飲み始めや量を増やしたときに、不安、いらだち、落ち着きのなさ、衝動的な行動(アクチベーション症候群)が出ることがあります。24歳以下の方に使うときは、利点と危険性を慎重に比べるよう、国内すべての抗うつ薬の添付文書に書かれています。
  • 国内で、子どもに対する有効性・安全性が確認された薬はありません:そのため、使う場合は、その理由と注意点を説明し、同意をいただいたうえで始めます。

薬の種類や量は、お子さんの状態に合わせて医師が決めます。自己判断で、飲むのをやめたり量を変えたりしないでください。

SUICIDE PREVENTION「死にたい」という気持ちがあるとき

子どもにとっても、自殺は決して遠い問題ではありません。多くは、うつ病や気分の障害などの心の不調が関わっており、睡眠の問題も関係するといわれています。過去に自傷や自殺を試みたことがあったり、ご家族に精神疾患があったりする場合は、特に注意が必要です。

  • 「死にたい」という言葉を、軽く流さないでください。否定や説教よりも、まず受け止めて、最後まで聞くことが大切です。
  • 命の危険が高いと考えられるときは、本人の意思を尊重するだけでなく、私たち医療者や保護者が主導して、お子さんを守ります。
  • ひとりで抱え込まず、早めに専門の医療機関や相談窓口につながってください。

お困りのときは、お住まいの地域の相談窓口や、学校のスクールカウンセラー、かかりつけ医にもご相談ください。

FOR FAMILIES保護者の方へ

「子どもは元気が一番」「こうあるべき」という大人の思い込みが、知らず知らずのうちにお子さんを追いつめてしまうこともあります。お子さんの立場に立って、いまの気持ちを理解しようとする姿勢が、何よりの支えになります。思春期は、親への依存から離れ、等身大の自分を受け入れていく時期です。その歩みを、そっと見守っていきましょう。

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このページは、宇佐美政英「児童精神科医が伝えたい子どものメンタルヘルス」(月刊薬事、2020年・2023年)の内容をもとに、保護者・一般の方向けにまとめ直したものです。診断や治療は、お子さん一人ひとりの状態に合わせて、医師が個別に判断します。